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コラム

冬のうつとは?季節性感情障害(SAD:Seasonal Affective Disorder)

2023.11.02

日が短くなり、明るい時間が減ってくると、なんとなく暗い気分になることもあるかもしれません。ただ、これが秋が深まるころから春先までずっと続くとしたら、それは季節性感情障害(SAD:Seasonal Affective Disorder )、いわゆる冬のうつ(冬季うつ病)かもしれません。

 

冬季うつ病の症状とその特徴

冬季うつ病では、

  • 怠い
  • やる気が出ない
  • 頭が働かない
  • 過眠(昼夜問わず眠気を感じる)
  • 過食(特に炭水化物を好む)

といった症状が主に見られ、悲しい気持ちや憂うつな気分はあまり目立たないことが多いです。だるくて眠いため活動量が減少し、また炭水化物を中心とした食事を好むようになるので、体重が増加することもあります。症状が強いとまるで冬眠をしているような状態になります。

 

なにが原因?どんな人がなりやすい?

体内時計は明暗に強い影響を受けます。冬の日照時間の短縮が体内時計のリズムを乱すせいで、冬季うつ病が起こってくると言われています。北半球では北に行くほど、冬季うつ病の人が多くなると言われていて、アメリカ南部のフロリダでは冬季うつ病の人は1%程度ですが、北部のアラスカでは10%程度います。女性に多く、20歳ごろから症状が出ることが多いです。

 

冬季うつ病の治療方法

冬季うつ病には、光療法、薬物療法、認知行動療法が有効とされています。いずれの治療法も併用可能です。

 

光療法

自然光ないしは人工光で冬場の日照時間不足を補います。

 

薬物療法

抗うつ薬が用いられます。抗うつ薬の中でもSSRIという種類が有効とされています。冬の間だけ内服することが多いです。

 

認知行動療法

認知行動療法は、癖のようになっている悪い考え方や行動のパターンを変えることで、気分を改善させていくことを目指す治療法です。

 

 

季節ごとに気分や、仕事の成果、生活スタイルや体重に変化があるのを、毎年繰り返している。そんな方は、冬季うつ病の可能性があるかもしれません。冬は冬眠したようになるのはどうにかならないかな、などと思っている方は、一度相談してみてください。